皆様こんにちは!
国立ロマンティシズム美術館を紹介します。
マドリッドには様々な美術館、博物館がありますが、この博物館は主に19世紀に発展したロマン主義の絵画と、その当時の調度品を展示しています。
マドリッドのショッピング街の一つ、フエンカラル通り、グランビアにも近い中心地の住宅地にある、素敵な博物館です。
ロマン主義について
ロマン主義は、ヨーロッパ全体的に、18世紀の終わりから19世紀にかけて発展した文化活動、思想です。啓蒙主義、18世紀の普遍的な論理主義に反した思想です。
ヨーロッパでは、フランスの市民革命、イギリスでの産業革命を通じ、経済的にも社会的にも大変動が起こりました。
旧体制の階級社会がなくなるとともに、王権や宗教などの既存の権威に対する疑問が起こり、個人の存在、個性という概念が生まれます。
それまでの哲学は、普遍的な人間の在り方を理論的に探究してきたものですが、その教条主義に反し、個人主義、理論に反して個性、個人のの感情、理想に重点を置いた文化活動です。
ニーチェやキルケゴールなどの実存主義の前提的段階ともいえると思います。
ですので、反社会的な個人的な感情である恋愛礼賛、あるいは、理性から離れたグループの賛美でもあるナショナリズムの高揚、それまでの西洋至上主義から反しての東洋賛美(オリエンタリズム)、ルネサンス以降の論理主義に反した中世文化賛美などがその特徴といえます。
スペインの絵画では、ゴヤが最も有名です。
18世紀の貴族の屋敷
ロマンティシズム博物館は、中心地に近い、閑静な住宅地にある、18世紀の貴族の屋敷を改装して造られました。
フエンカラル通りや、地下鉄のアロンソ・マルティネス駅に近く、周りにもお洒落なブティークなど、ちょっと高級なお店が集中している街区にあります。
ロマン主義が流行したのは、ブルジョア階級の時代ですので、肖像画、オリエンタル的な風景画、自殺のアレゴリーなどの絵画、ステレオスコープなど、映画が発明される前段階の実験的な面白いコレクションなどがあります。
また、調度品では、陶磁器のコレクションや、家具のミニアチュールなど、当時のブルジョア階級らしい素敵な展示品が並びます。
開館情報
開館時間;火曜日から土曜日まで 冬(11月から4月まで)09:30から18:30 夏(5月から10月まで)09∶30から20∶30
日曜と祝日、10:00から15∶00
休館日;月曜、1月1日、6日、5月1日、11月9日、12月24、25、31日
入場料;3ユーロ。土曜日14:00からと日曜日は無料
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