皆様こんにちは!
国立考古学博物館をご紹介します。
コロン(コロンブス)広場のすぐ隣にある、19世紀建設の大きな建物が国立考古学博物館です。
エルチェの貴婦人、アルタミラの洞窟画のレプリカをはじめ、石器時代からローマ時代前後、中世、近代まで、スペイン出土の展示物が時代ごとに展示され、スペインの歴史を通じて地中海文明の概要を非常に分かりやすく展示している博物館です。
スペイン以外では、ギリシア、エジプトなど幅広い出土品のコレクションも展示されています。
*マドリッドの一番高級な地区、サラマンカ地区にある博物館です。
地中海文明の各時代の出土品、建造物を通じた理解が可能
地中海沿岸は、地形上先史時代から海上での移動が容易にできました。そのせいか、古くから人々の交流が盛んにおこなわれたため、技術や文化の普及が他の地域よりも早く、この地域には多くの文明が生まれました。
スペインは地中海の中でも、アフリカから最短距離14㎞にあります。また、大西洋岸を通じて、ケルト人のようなヨーロッパの北の民族たちも移住してきています。
ですので、スペインには先史時代から、様々な民族が住み着き、独自の文明を発展させました。
ケルト、イベロ、フェニキアの工芸品、ローマ時代のモザイクや彫刻、イスラム建築など、130万点もの展示物があります。
エルチェの貴婦人
19世紀に、バレンシア州の町、エルチェで、仕事中の農夫が偶然発見した石の胸像が、エルチェの貴婦人です。
発見当時はイスラム時代のものと思われていました。
また、あまりにも完璧な像であるため、19世紀に造られた贋作であるという説もありましたが、後の調査で実は紀元前5世紀から4世紀の間の作で、ローマ以前の原住民族のイベロ族のものだということが分かりました。
今では多分、墓標であったと考えられています。
発見直後にフランスのルーブル美術館に買われ、長いことルーブル美術館で展示していたのですが、1941年にスペインに戻りました。考古学博物館には、1971年から展示されています。
グアラサールの宝物
19世紀に、トレド県のグアラサールで出土した、ゲルマン民族、西ゴートの時代(5世紀から8世紀)の宝物です。特に有名なのが、レケスウィントの宝冠です。
レケスウィントの宝冠は、宝石や真珠が散りばめられた黄金の宝冠です。
上からハート型の黄金の鎖で吊り下げられ、下にはレケスウィントの名前が吊り下がっています。
これらの宝冠は、王様たちが戦争の勝利祈願や病気の治癒を祈願するとき、あるいはその祈願がかなったお礼に教会に寄進したものといわれています。
ローマ時代のモザイク
スペインは早くから古代ローマの一部になりました。
また、ローマの5賢帝といわれるうちの2人、ハドリアヌス帝とトラヤヌス帝はスペイン出身であるなど、大変栄えていました。
ですのでスペインには数々のローマの遺跡があります。そういった遺跡から発掘された数々のモザイクが展示されています。
比較的小さいものから、4mを超える大きなものまであり、圧倒されます。
開館情報
開館日、時間;火曜日から土曜日まで;09:30から20:00
日曜、祝日;09:30から15:00
休館日;月曜、1月1日、6日、5月1日、12月24日、25日、31日
入場料;3ユーロ
18歳未満と65歳以上は無料
土曜14時以降、日曜、4月18日、5月18日、10月12日、12月6日、無料
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