スペインのハモン【生ハム・Jamón】

スペインのハモン【生ハム】

皆さまこんにちは!

スペインのハモン【生ハム】をご紹介します。スペインのガストロノミーの代表格の一つがハモンですね!!

ぜひ、スペイン滞在中に一度は召し上がって下さい!世界の生ハムの中でも、手間暇のかかった本当に美味しい生ハムです。*スペインのハモンはなんと醗酵食品です!

生ハム・ソーセージは日本国内には持ち込みができませんのでご注意下さい!

肉製品などの日本国内持ち込みについてはこちから!

ハモンイベリコの原木【Castro y Gonzares Gujeiro

スペインの生ハムは、ハモン(生ハム)・イベリコとハモン(生ハム)・セラーノに大きく分かれます。そのうち高級で有名なのはハモン・イベリコ【ベジョータ】ですが、ハモン・セラーノも美味しいものがたくさんありますよ。

また、ハモンというのは後ろ脚のみで、前脚はパレタ(paleta)あるいはパレティージャ(paletilla)と言います。

後ろ脚と同じように生ハムにします。製造プロセスはほぼ同じですが、時間が変わります。重量が後ろ脚より少ないため、時間が少なくなります。

味の違いは一般的に、パレティージャの方が濃厚で、ハモンはデリケートだと言われていますが、その違いは微妙です。通でなければわからないかもしれません。

一頭の豚から後ろ脚2本、前脚2本採れるため、階級分けも同じです。

BARで欠かせないハモン・イベリコ(イベリコハム)

ハモン・イベリコとハモン・セラーノ

ハモン・イベリコとハモン・セラーノとの違いは、一言で言ってブタの種類の違いです。

屋外で走り回るイベリコ豚

ハモン·セラーノは、普通の白豚の後ろ脚です。

ハモン·イベリコは、イベリア半島に生息する、普通の白豚よりももう少し小型のブタで、色は黒いのが多いのですが、かならずしも黒とは限らないようです。

モンタネーラ【放牧】

モンタネーラとは、イベリコ豚がどんぐりを食べる時期のことをいいます。10月の終わりから3月いっぱいまで続きます。

10月の終わりから11月頃、デエサ(Dehesa)と言いますが、樫の木や、コルクの木などがある、イベリコ豚を育てるための牧草地で、どんぐりが熟して地に落ちます。

それに合わせて、野外で育っているイベリコ豚は地上に落ちたどんぐりを食べるようになります。

イベリコ豚(ベジョータ)が放牧されるデエサ

この時期、豚は大体1日12kgのどんぐりと5kgの草を食べるようです。

ドングリ【ベジョータ】がなる樫の木

また、放し飼いで、どんぐりを探しながら育ちますので、その運動量も相当なもののようです。こうして筋肉もしっかりした美味しいハモンができるのだそうです。

この時期に、イベリコ豚の重量が70から80kg増えるそうです。

生ハム製造プロセス

ハモン・セラーノも、ハモン・イベリコも製造のプロセスはほぼ同じです。ただ熟成期間が変わります。イベリコの方が長くなります。

1-塩漬け

まず、豚の脚を塩漬けします。

スペイン産の塩を使った塩漬け工程

余分なものを取り除き、血抜きをした豚の脚を、岩塩で覆います。豚の脚を塩の上に水平に寝かせ、その上にまた岩塩を置き、またその上に脚を寝かせていきます。

全く脚が見えないような塩の量で覆いますので、外から見ると塩の山のように見えます。

塩漬けの時間ですが、脚の重量によって多少変わりますが、平均で14日ほどだそうです。

2-塩分の均等、吸収

その後、岩塩から取り出し、皮の周辺に染み込んだ塩分を脚の筋肉全体に等分に染み込みさせるため、蹄の方から吊るします

大体50~90日ほどだそうです。

塩漬けの工程を経たハモンイベリコの原木
3-洗浄、乾燥

表面に残っている余分な塩を洗浄し、乾燥させます。

表面から塩を取り除いたため、大気にさらされるのでこの期間はカビなどが生えないように、温度、湿度の調整が重要になります。

大体45日から90日ほどだそうです。

4-熟成

この後、生ハムの熟成期間に入ります。

この期間が、ハモン・セラーノとハモン・イベリコで変わります。

ハモン・セラーノの場合、塩漬けから熟成まで、最低で210日だそうです。

ハモン・イベリコの場合は、全過程、最低24ヶ月だそうです。

このシンプルな、でもデリケートな製造過程を経て、美味しい生ハムが出来上がるのですね。

熟成が進むハモン・イベリコ

イベリコハムの階級

ハモン・イベリコの階級分けの基準は、豚の種類とエサ、どこで育ったかで分かれます。

1−イベリコ豚の種
1.100%イベリコ

よくパタ·ネグラ(Pata Negra; 黒い足という意味のスペイン語)と言われますが、文字通り、純粋なイベリコ豚の親通しから生まれた豚のハムです。

2.75%イベリコ

これは、純粋なイベリコ豚と、イベリコと普通のブタの混血の豚から生まれた豚のハムです。

3.50%イベリコ

これは、純粋なイベリコ豚と普通のブタの混血の豚のハムです。

2−エサの種類と育ち方
色によってイベリコ種をカテゴライズ
1.デ·ベジョータ【DE BELLOTA】

生ハムの階級で、最高級なハモン・イベリコがこちらです。

モンタネーラ【放牧】され、どんぐりと牧草だけを食べて育った豚です。

脂肪分は象牙色、赤身はルビー色に、サシが入っています。

味は濃厚で、甘みと塩味が、絶妙に混ざりあい、脂肪分はクリームのように口の中で溶けるのが特徴です。
*黒ラベルは、イベリコ種100%のハモン・イベリコ・ベジョータです。

*赤ラベルは、イベリコ種が75%もしくは50%のハモン・イベリコ・ベジョータです。

2.セボ·デ·カンポ【CEBO DE CAMPO】

こちらはエサは穀類、豆類、人口のエサですが、豚小屋だけではなく野外でも育った豚です。

*緑ラベルは、イベリコ種が100%、75%もしくは50%のハモン・イベリコです。

3.セボ【CEBO】

こちらは、豚小屋で育ち、穀類や豆類などと人口のエサを食べて育ったイベリコ豚です。

*白ラベルは、イベリコ種が100%、75%もしくは50%のハモン・イベリコです。

ハモン【生ハム】の購入

生ハム・ソーセージは日本国内には持ち込みができませんのでご注意下さい!

オーダーでの購入

スペイン人がハモンを買う際はスーパーやお肉屋さんで銘柄を選んで原木(脚)から必要な量を注文します。

通常書いてある値段は1kgの値段です。

サン・ミゲル市場内の生ハム販売店

機械で切ってもらうのは、安いハモンで、高いハモンは手で切ってもらいます。

クチージョ·ハモネロ(cuchillo jamonero)という細長い包丁を寝かせ、なるべく薄く切ります。

corta de mano(職人によって手切りでスライス)

切り方によってハモンを口に入れたときのテクスチャーが微妙に変わるので、切り方も技術がいります。ハモン切りのコンクールがあるほどです。

コルタド・ア・マノ【CORTADO A MANO】

皆様にお勧めしたいのは、CORTADO A MANOと書かれた職人による包丁での手切りのパックですね。銘柄を言って直接オーダーするのは、中々難しいので、まずは、パックで様子を見られて下さい。

パックに入ったハモン・イベリコ【ベジョータ】コルタド・ア・マアノ【CORTADO A MANO】

初めてハモン・イベリコを購入する際の注意点

大体、100g前後がパックになっていると思いますので、お二人でつまむにはちょうど良い量かと思います。選ぶ際には、次の点に気をつけて下さい。

・ベジョータ100%、ベジョータ、セボ・デ・カンポ、セボのどれなのか?

・前脚か後ろ脚か?*前脚はパレタ【Paleta】と書いてあります。お勧めは、パレタと表記のない後ろ脚です。

・コルタド・ア・マノのか?*スライサーでカットしているものは、肉の繊維方向に関係なくカットしますので、口当たりに違いが出ます。


・サシ(霜降り)がしっかりと入っているのか?パックの窓からサシを確認すると良いでしょう!*最近はハモンが良く見えない状態も多いので..


・まずは、少し、リーズナブルな物から試してみるのも良いです。コルタド・ア・マノと記載がない場合はスライサーによる機械でカットされたハモンとなります。

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